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イスラエルの風
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 イスラム教のことを知らない人が聞けば、「平和を求めているおじいちゃん」と思われることでしょう。「イスラエルがヨルダン西岸とガザの管理地から出て行けば、すぐに平和になるのに……。イスラエルがそれをしないから、テロという方法でしか戦えない、かわいそうなパレスチナ人が、最終手段を使って戦っているのだ。」と思われて当然です。しかし、彼らが「パレスチナの土地」と言うときは、必ず全イスラエルを指します。イスラエルという国は、彼らの中に存在していません。

 1993年、オスロ平和条約で「パレスチナ側はテロをやめ、イスラエル側はパレスチナに、徐々に土地を渡していき、5年後にパレスチナ独立国を設立する。」と定め、両者は正式にサインをしました。その後間もなく、レバノンに追放されていたアブドルアジズ・ランティシ氏がイスラエルに戻ってきました。彼は、ヤシン氏に並ぶ、ハマス創立者の一人です。そして1997年、彼はヤシン氏と共にハマスを立て直しました。その後ランティシ氏は、イスラエルと平和条約を結ぼうとしているアラファト議長のグループに逆らい、パレスチナの刑務所にたびたび投獄されました。彼らにとって、イスラム教を否定する平和条約が設立することは、何としても許すことができないのです。

 ヤシン氏は、女性や子どもを使ってイスラエルと戦わせ、自爆テロをどんどんと送り続けました。2000年9月からだけでも、2万件を超えるテロ活動が行われています。その大半がヤシン師とランティシ氏が支配するハマスによって行われており、サダム・フセインがバックで資金を供出していました。この人々によって、多くのユダヤ市民が殺され、身障者、ケガ人、精神を病む人々が続出しました。

 現在、ロードマップと呼ばれる平和条約が進もうとしている中、ハマスはイスラエルを無きものにしようとするだけでなく、パレスチナ自治政府に逆らい、平和条約が進まないようにとパレスチナ人の中に反乱を起こしています。そして、イスラエルがガザから撤退すると同時に、ハマスはガザを占領し、武力を強化する計画です。

視力もほとんどなく、蚊のような細い声でしゃべる車椅子にのっている「霊的リーダー」。このおじいさんこそが、毎日のように恐ろしいテロ活動を計画している基であるとは、誰が想像できるでしょう。イスラエルにとってヤシン氏は、“パレスチナのオサマ・ビンラディン”と呼ばれるほどに、恐ろしい人物なのです。美男子で優しそうに見えるビンラディンが、アルカイダ・テロ組織のリーダーであり、また「霊的リーダー」でもあるのと同じです。

 このヤシン氏が、ユダヤ市民をバスやホテルの自爆テロで次々に殺し、ついにアシュドテの港町に入り込み、同時多発自爆テロを実行しました。それを受けてイスラエルは、世界中から非難を受けることを承知の上で、市民を守るためにヤシン氏を殺すに至ったのです。

 3月22日、夜明け間近、ミサイルでヤシン氏を殺害しました。そして予想通り、世界中がイスラエルを非難しています。しかし、ヤシン氏の働きや計画は、彼の右手であったランティシ氏によって、なお一層拡大しようとしています。この第二のヤシンであるランティシ氏は、この時とばかりにイスラム諸国に呼び掛け、「私たちはいつか死ぬのだ。過激な死を迎えるのも、自然な死を迎えるのも同じことなら、私は過激な死を迎えたい。」と語りました。

 
 
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