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イスラエルの風
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富士クリスチャンセンター 広田 信也

 私は、日本の典型的会社人間として忙しく働くサラリーマンです。三日連休でさえ簡単にとれない毎日ですが、働き盛りの47歳にして、会社から1カ月の自己研鑽休暇を与えられ、うれしいやら、困惑するやら、いったい何をすればよいかと思い悩んでいた時でした。ちょうど栄子先生が私の教会に来てくださったのです。私にとってイスラエルは、聖書の舞台ですから、一度行ってみたいとは思いつつ、テロのニュースから、とても危なくて難しいだろうと思っていました。

 ところが、栄子先生に「全然心配ないです。ぜひエルサレムでボランティアをしていってください!」と言われた時、それはまるで天からの声のようで、「よろしくお願いします」と返答してしまったのです。返答はしたものの、後で不安が募ってきました。いったいどんな仕事か? 私の下手な英語は通じるか? どこに住むのか? 大体そんなことも確認しないでよく返事をしたな……など。

 やがてエルサレムの本部より質問状が送られてきましたが、そこに挙げられたボランティアの仕事のすべてが経験なしの状態でした。ただ「荷物が運べるか?」の質問にだけ△印をつけて提出しました。

 こんな調子でスタートした私のイスラエルへの挑戦でしたが、出発の頃には、不安の中にも、すべてが神さまからのプレゼントであると思えるようになり、期待をもって日本を発ったのでした。

 私は最初の12日間、イスラエルツアーに参加して聖書の舞台を自分の足で歩き、イスラエルの知識を増し加えました。そしていよいよボランティアが始まりました。仕事は、フードバンクでの食料の仕分けと配達の手伝いでした。初日の金曜日は比較的楽だったのですが、翌週の月曜日からたくさんの野菜が入ってきて忙しくなりました。一緒に作業をしていた男性は、私の何倍も力強そうで重い荷物をどんどん運んでいきます。これに負けじと年甲斐もなく、カラ元気を出してはみたものの、体力はすぐに底をつき、脚はもつれ、腰は痛くなり、帰る頃には疲労困憊といった状態でした。後で気付いたのですが、他のボランティアの皆さんは、周りを気遣いお互いを励ます余裕をもって、自分のペースで働いていたわけです。皆同じように一途に働く日本の会社人間の悲しさか、視野の狭さか、早期リタイヤの危険を冒してしまいました。

 私が滞在していたのは、フードバンクから歩いて30分、バスに乗ると10分程度のゲストハウスというところで、素敵なオランダ人のご夫妻が温かく迎えてくれました。初日の金曜日の夜は、ちょうどシャバットミールと呼ばれる安息日の夕食で、おいしい食事と心温まる会話ですばらしい時を過ごすことができました。イスラエルの安息日は、店が閉まってしまうといった印象しかありませんでしたが、神さまを中心とした温かい交わりがいろいろな家庭でもたれていることを知り、安息日の良さを確認することができました。翌週の金曜日の夜も、今度は栄子先生のご自宅に招待され、久しぶりのおいしい日本食を頂きながら、楽しいひと時を過ごすことができ、イスラエル滞在の中でも、特に思い出深い夜になりました。

 
 
 
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