髪をスパークさせ、その一本一本をカラフルな色で染めた十代の男の子に目が留まった。何をするのか見ていると、入口のメズーザを見つけ、それを手の平で触り、その手を口に当てキスをした。母親が病気で代わりにやって来たのだった。
帰りも同じ動作を繰り返していた。フードバンクのすべての入口には、メズーザ(※1)が取り付けてある。メズーザのみことばは「シェマ・イスラエル(イスラエルよ聞け)」で始まる。
彼らを見ていると、貧しいというイメージがほとんどない。誰もがそれぞれに合った服をまとっている。初めのころ、本当に支援が必要なのかと、疑問に思ったこともあった。しかし、「今からバルミツバ(ユダヤ人少年の成人式)に行く」と、うれしそうに話した、きれいに着飾った一人の女性の足元を見ると、底のすり減った靴を履き、タイツもところどころ穴が開いていた。
頭が痛いとやって来た一人の婦人。聞くと何も食べていないという。エネルギーにすぐ変わるチョコレートを渡す。それを受け取る手が震えていた。常備食のチョコレートは、私のバッグにいつも入っている。貧しさを見せない彼らを見て、ある聖書のみことばを思い出した。「あなたが断食するときには、自分の頭に油を塗り、顔を洗いなさい。」(マタイ6:17)。
*注1―長い筒状のケースで、ユダヤ人の各家庭のドアの横に取り付けられている。申命記6章4節から9節のみことばが書かれた紙が入っている。信心深い人々は部屋に入るたびにメズーザに触り、その手に口づけする。
イスラエルの祭りはユダヤ暦に沿って行われる。2003年9月26日の夕方から28日にかけて、全イスラエルは「ユダヤ新年」(ロシュ・ハシャナー)を祝った。これまで、悲しみが、苦しみが、絶え間なく彼らのほおをぬらした。希望はどこに?
「新年おめでとうございます。良い年をお迎えください。―ブリッジス・フォー・ピース―」と書かれたメッセージ・カードに、「彼らの涙をぬぐい去ってください……彼らがあなたに立ち返りますように……」と祈りつつ、カラーペンで一枚一枚ていねいに色を塗る。たびたび文字がかすみ手を止めた。これまで彼らの手を取り、彼らの肩を抱き共に涙を流した。彼らと共に喜んだこともあった。彼らと思いを一つにして過ごしてきた。
光と闇とのコントラストが一段と鮮やかになり、主の再臨が間近に迫っていることを感じる。福音の光は、イスラエルを初めに照らした。イスラエルは異邦人の私たちにも光をもたらした。
四度目の正月をイスラエルで迎えることのできる喜び!
「主がシオンの捕われ人を帰されたとき、私たちは夢を見ている者のようであった。そのとき、私たちの口は笑いで満たされ、私たちの舌は喜びの叫びで満たされた。そのとき、国々の間で、人々は言った。『主は彼らのために大いなることをなされた。』 主は私たちのために大いなることをなされ、私たちは喜んだ。」
(詩篇126:1-3)
シャナ・トバ(良い1年でありますように)!! 皆様お一人おひとりの繁栄と祝福を祈りつつ……。
エルサレムよりシャローム
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