では、イスラエルの政党をいくつかご紹介しましょう。
まずは、2大政党『リクード』と『労働党』です。リクードは「右派」の政党で、1月の選挙で大勝した第一政党です。和平はもちろんですが、相次ぐテロのために、堅い国防を前面に掲げています。
一方、労働党は93年に、土地と和平の交換を掲げる「オスロ合意」を締結した政党で、和平への気運とともに大きな支持を誇りました。しかし、長期のテロで国民はオスロ合意に失望し、それでもオスロを掲げ続けて「極左」に傾いた労働党は支持を失い、先の選挙では大敗してしまいました。連立への誘いも固辞し続け、今は野党第一党です。
第三政党は『シヌイ(変化)』です。今回の選挙で大躍進した“超”世俗政党で、初の連立入りをし、世俗市民の悲願が達成されました。
初めて内務省をシヌイが担当することになり、移民にとって革命が起こりました。ビザの発給やイスラエル市民権の授与などを支配する内務省は、世界中から帰還する移民の、イスラエルでの運命を左右します。前政権までこの座に就いていたのが超正統派政党で、ユダヤ人法を厳格に適用し、「旧ソ連からの移民の60%はユダヤ人ではない(一方の配偶者がユダヤ人でない場合、子どもたちもユダヤ人として認めない)」として、市民権への扉を閉ざしていました。家族の誰かが強制出国の脅威にさらされ、家庭がバラバラになりそうな移民が大勢いました。これに対してシヌイが真っ先に掲げた政策は「ユダヤ人でない人でも、この国に住めるようにする」というものでした。安堵のため息が聞こえてきそうです。
さて、宗教政党『シャス』は、議席数では第4政党で、最大の超正統派政党ですが、現政権で連立入りしているのは、NRP(国家宗教政党)です。超正統派を避けたい世俗政党シヌイとも、お互いに妥協点を探る話し合いに応じ、連立入りしました。他にもいくつかの小さな宗教政党があります。また、イスラエル市民権をもつアラブ人の政党もあります。
さまざまなグループが同居するイスラエル社会では、確執や葛藤が起こるのも当然です。この国を導くイスラエル政府のために、正しい知恵と正しい判断、一致のための祈りが必要な理由、ご理解いただけるでしょうか? |