B.F.P.フードバンクスタッフ 大坪幸子 2001年12月
最近のエルサレムの日常生活を一言で言い表すなら、ただもう「ヘリコプター!」に尽きます。10月17日のゼエヴィ観光大臣暗殺事件以来、約10日間に亘ってイスラエル国防軍(IDF)が、「テロリスト逮捕」と「テロ組織のネットワーク潰し」のために、西岸のパレスチナ自治区に侵攻しました。そのため、毎日毎日、朝・昼・夜、明けても暮れても、ヘリコプターが頭上を旋回していました。攻撃用ヘリではなく、警戒と司令塔を兼ねて、状況把握のために上空を飛んでいるものです。
パレスチナによるギロ地域(私の住む住宅街の西隣)への攻撃と、ヘリコプターの音を聞きつつ眠りに就き、夜中にまどろんでいてもヘリコプターの音が聞こえ、目覚めると同時にヘリコプターの音が聞こえました。フードバンクに来てもギロとベイトジャラがすぐ南なので、またまたヘリコプターが飛んでいるという日々でした。
贅沢と思える静かな夜
銃撃戦が始まれば、毎回週単位でこのような生活が続きます。ヘリコプターの“バババババ……”という音が数機重なり、“パラパラパラパラ……”“ダダダダダッ……”というマシンガンの音、そして“ドドーーン”という砲弾の音が、夜な夜な響いてきます。こうしたさまざまな種類の音がこだまする中で夕食を作ったり、洗濯物を干したり、日常の生活を送っています。アパートの屋上に上がれば、西の夜空が、まるでフラッシュを焚いたように一瞬輝くのを見ることができます。
18日には、私の住むイースト・タルピオット(ここは、南と東がアラブの村と隣り合わせです)の東端付近にある警察署が銃撃を受けました。22日には、仕事中フードバンクの数百メートル先でパレスチナ人の発砲があり、4人が負傷しました。続く24日には、イースト・タルピオットの北隣で同じく二方向をアラブの村に囲まれている住宅街に対して、初の発砲があり、まさに昼夜を問わず銃弾が身近になった気がします。
そののち、パレスチナ側が「軍事部門および武装組織の銃撃を取り締まって治安を保障する」と約束したので、29日にイスラエル国防軍はベツレヘムとベイトジャラから撤退することができました。その晩は久しぶりに静かな夜を過すことができました。うれしい……。夜がこんなに静かだったなんて……。そのまま眠るのが惜しいような気さえしました。静かな眠りが、実はこんなにぜいたくなことだったとは……と、感謝しつつ眠りに落ちました。
み翼の陰に守られて
かれこれ1年以上、断続的にギロの銃撃音や、エルサレム市内各地のテロを体験してきました。日本の皆さまの祈りに守られ続けて今日に至り、銃撃が始まれば「またなのね」と、感覚が銃撃生活モードに切り替わってしまうまでになっています。外国人居留者の私でさえ、すっかり慣らされてしまったようだとは言え、さすがに毎晩聞き続けていると、あまりのうるささに気が滅入ってくることもあります。「主のみ翼が、私たちの隠れ家」という素晴らしい事実に、いつも立ち返ることのできる私たちは、本当に確かな平安と解放のより所をいただいています! 本当に感謝なことです。
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