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2.イスラエルにおける支援活動に対する基本

◆イスラエルについて
イスラエルは、世界で類のない国です。ここは神によって選ばれ、名前が付けられた唯一の場所です。また、同様にユダヤ人もその選びにおいて他に類を見ません。神と彼らの間で契約が交わされ、土地と彼らを直接結び付けています。

 20世紀、私たちは奇跡を目の当たりにしました。預言のとおり、契約の民であるユダヤ人が、イスラエルの地に連れ戻されたのです。近代イスラエルは、旧約聖書の預言に書かれているように、終末に向けて再び集められた国です(旧約聖書の預言とは、物理的には「神の民が戻ってきて、その地を回復する」ということ。霊的には「彼らの心が贖われる」ということ)。

 イスラエルは、あらゆる困難を乗り越えて、1948年に独立しました。それは600万人のユダヤ人が、ナチスによって大虐殺された直後の出来事でした。当時、ヨーロッパ大陸にいたユダヤ人は、強制収容所に詰め込まれ、家族は引き離され、希望のない状態におかれていました。この預言が、エゼキエル書37章に書かれています。「乾いた骨の谷にいた、希望を持たない選びの民を神が回復し、イスラエルの土地に連れ戻される。」私たちは、聖書に描かれていることと、実際の出来事の両方に、神の奇跡の御手を見ています。

 1948年以降、アラブの国々から追い出されたユダヤ人は、着の身着のままでイスラエルへ帰還してきました。さらに、ヨーロッパ、アメリカ、その他約120カ国から続々と帰還が続き、1990年以降には、ロシアなど北方の共産圏から帰還が始まりました。イスラエルは、今日でも古い伝統と信仰を持ち続けている土地です。今なお、旧約・新約の世界が存在し、実際に肉眼で見ることのできる聖書の舞台です。

 大変残念なことに、未だにイスラエルの存在を完全に理解していない教会が存在します。また、イスラエルの意味を無視したり、最悪の場合、その存在自体に反対し、痛烈な非難さえしているケースがあります。

◆クリスチャンに対するユダヤ人の意識
過去1800年間にわたり、「ユダヤ人と教会」の関係は、最悪の歴史を重ねてきました。ヨーロッパのキリスト教国は、あらゆる手を尽くしてユダヤ人を組織的に隔離し、根絶させようとまでしました。悲しいことに、西洋における反ユダヤ主義は、教会から発生しました。しかし、どのような状況になろうとも、神はユダヤ人に対して、今も昔も変わらないご計画を持っておられます。
今日、イスラエルにおいて、多くの傷ついた魂を目にします。彼らは今なお敵に取り囲まれています。国としての存続を絶えず論議され、ときとして世界各国の激しい憎しみをその身に受けています。
また、ユダヤ人は先祖代々にわたる自分たちの歴史を深く心に刻んでいます。ユダヤ人の歴史の大半において、「キリスト殺し」と言われ続け、キリスト教が彼らを迫害してきたという事実があるからです。そのため、長い間迫害を繰り返したクリスチャンを、彼らは信用することができません。その傷は、私たちが想像できないほど深く深刻なものです。

 私たちが真実の愛と思いやりの気持ちをもって彼らのところへ行っても、それさえ拒絶されてしまうことがあります。彼らの歴史的な傷を癒すためには、愛の行動と忍耐が必要です。実際の行動で表される“愛”こそ、ユダヤ人とクリスチャンを引き離す高い壁を壊す力です。

 イスラエルで宣教に携わる一部の人々は、この傷に配慮することなく、何が何でもイエス・キリストを伝えようとします。それはときとして、神が最初に契約を結ばれた民に対する尊敬を欠く行動になりかねません。主にあって、尊敬と謙遜によって彼らに近づき、愛と感受性を持ってクリスチャンのメッセージを伝える必要があります。

 伝道しても、ユダヤ人がその福音を聞き入れない場合、「やはり呪われた民だ」という結論を出してしまう宣教師があまりにも多くいます。彼らは、大半の時間をユダヤ人非難に費やし、彼らを主に近づけるどころか、いっそう遠ざけてしまうのです。

◆クリスチャンとしてまず私たちがすべきこと
長い迫害の歴史によって、クリスチャンに対するユダヤ人の心は石のように硬くなっています。その石の心を溶かすために、クリスチャンは「ユダヤ人との新しい関係」を樹立する必要があります。さもなければ、神のメッセージは人々の耳に届きません。

 教会の罪深い過去を認識し、クリスチャンとして、愛と感受性を示すことが、関係修復の第一歩です。
国際総責任者、クラレンス・ワーグナーは、イスラエルに関して次の見解を述べています。

 「ある日、事務所から帰ろうとしたとき、駐車場のアスファルトで覆われた割れ目から、小さな植物が芽を出しているのに気が付きました。私はそれを『今日のイスラエルとユダヤ人のイメージ』としてとらえました。

 駐車場はイスラエルを象徴していました。小さな植物は収穫を象徴していました。イスラエルとユダヤ人の伝道に召されたと感じている多くのクリスチャンが、この一本の小さな植物を収穫しようとして走り回っているのが見えました。もしアスファルトを取り払って駐車場を畑に戻すなら、種子を蒔いて栄養を与えることができ、本当の収穫が得られるでしょう。しかし、アスファルトの上を車で走り回っている人には、それがわからないのです。

 この駐車場はイスラエルであり、「色づいて、刈り入れるばかりだ」とイエスが語られた畑です。しかし、この畑がどうして駐車場になったのか? 不幸なことに、延々と何世紀にもわたり、キリスト教の反ユダヤ主義的行動が、土地をアスファルトで覆ってしまいました。

 これでは、どうして収穫を得ることができるでしょう。まずは畑を回復させなければなりません。そして、もし教会が畑を破壊したのなら、それを回復するのは教会の仕事です。

 クリスチャンの愛と思いやりを示そうと思うなら、歴史のすべてを考慮しなければなりません。教会から発生した“反ユダヤ主義”が犯した歴史的犯罪によって破壊されたものを回復するためには、教会自身が率先して行動に出なければなりません。つるはしとシャベルを率先して手に取り、アスファルトをはがさなければなりません。それは愛情に溢れた行動によってのみ成し得るものです。福祉的な援助、そして聖書を土台とした彼らに対する正しい理解の両方が、ユダヤ人のかたくなな石の心を癒すのに必要です。もし一生懸命働くなら、今日種子を植え、近い将来収穫することも不可能ではないでしょう。

 今日、神はイスラエルで働いておられます。また、神はユダヤ人をイスラエルに連れ戻されました。そして土地を回復し、彼らの心を贖われるでしょう(エゼキエル36:24-27)。私たちは、契約の民に対して、具体的に何ができるか考えなければなりません。その関係修復のために、クリスチャンとしてどう行動するべきでしょうか。」

 
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