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私たちの父アブラハムを見よ
 マーヴィン・ウィルソン博士は、著書『私たちの父アブラハム』で次のように述べています。「パウロは『異邦人もまた共同の相続者となり、ともに一つのからだに連なり……』(エペソ3・6)と述べています。それゆえ、異邦人は、救いを通して新しい歴史を有しており、イスラエルの歴史は今や、異邦人の歴史でもあるのです。信者の大部分が異邦人であったコリントの教会に宛てた手紙の中で、パウロは、古代のイスラエルの人々は、コリント人の霊的祖先であること、『私たちの先祖はみな、雲の下におり、みな海を通って行きました。』(Tコリント10・1)と述べています。

 だから、初代教会においては、ユダヤ人と異邦人の共通の霊的祖先は、古代イスラエル人であると主張しているのです。すべてのユダヤ人はその先祖の系譜をアブラハムまでたどり、彼を、"自分たちの父" とみなしています。主も、同じように、預言者を通して宣言しておられます。『あなたたちが切り出されてきた元の岩、掘り出された岩穴に目を注げ。あなたたちの父アブラハム……に目を注げ。』(イザヤ51・1-2、新共同訳)」。

 ユダヤ人の歴史を理解し、その歴史に自分たちを結びつけることは、当時のコリントの異邦人会衆にとって重要であったように、現代の教会にとっても大切なことです。自分たちがこれまで世界を眺め、また聖書を読むのに用いてきたギリシャ的眼鏡を外し、真に聖書的なヘブル的価値観を深めるのに、遅すぎるということは決してありません。むしろ、聖書の著者たちがそれぞれの記事の中に反映した考え方を探り求めるため、当時の彼らの文化を理解することに、一歩を踏み出しましょう。 

 来月の後編では、私たちがさらに当時の背景を知ることができるように、ヘブル的価値観とギリシャ的価値観が衝突する主な分野を挙げてみることにしましょう。

(次号に続く〉


参考文献
○Hauer, Cheryl, Children of Abraham, United States: Hebrew Heritage Publications, Inc., 2000
○Wilson, Marvin, Our Father Abraham, Grand Rapids: Willson B.Eerdmans Publishing Company, 1989
○Cohen, Abraham, Everyman`s Talmud, New York: Schocken Books, 1975
○Telushkin, Rabbi Joseph, Jewish Literary, New York: William Morrow and Company, 1991
○Hertz,Dr. J. H., The Pentateuch and Haftorahs, Hebrew Text, English Translation and Commentary, London: Soncino Press, 1996
 
 
 
 
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