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 ギデオンが見たしるしは、最終的に彼に益をもたらしませんでした。しるしには幾つかの大きな問題が伴います。

 第一に、しるしに頼り過ぎることは、神が与えてくださる“悟り”を弱めます。第二に、勇気をもって歩むことから足を遠のかせます。なぜなら、勇気と信仰による決断ではなく、状況に応じて判断することになるからです。第三に、常識と知恵を抑制します。第四に、いつも神に「AかBか」と、二者選択を求めることになります。もし、そこにCという別の答えが用意されていたらどうなるのでしょうか。

 このような態度で主に臨む限り、主がギデオンに明確に語ってくださることなどあり得ません。“羊毛に露が降りた”というしるしに信頼を寄せるギデオンに、主はこう語られました。「あなたといっしょにいる民は多すぎる。」(7:2)。ギデオンはこう思ったことでしょう。主は一体何を仰せられるのか。自分がそもそもしるしを求めたのは、たった3万2千人で、あの恐ろしい敵との戦いに出るのを恐れたからなのに……と。

 ギデオンは神のことばに従わざるを得ませんでした。そして、集まった3万2千人に対し、この戦いに参加したくない者たちは皆去るようにと宣言しました。彼は、去る者はわずかだろうと考えていたでしょう。しかし、予想に反して、2万2千人が家に帰りました。こうして彼の元に残ったのは1万人でした。恐らく彼は、神にしるしを求めることなく、あのまま戦争に行った方が賢かったと思ったことでしょう。

 ここで神は再び語られました。「民はまだ多すぎる。彼らを連れて水のところ(ここでは、ギルボア山のふもとにあるハロデの泉のこと)に下って行け。わたしはそこで、あなたのために彼らをためそう。」(7:4)。ギデオンは民を泉に連れていきました。神は「犬がなめるように、舌で水をなめる者は残らず別にしておき、また、ひざをついて飲む者も残らずそうせよ。」(7:5)と指示されました。

 この結果は、ギデオンをさらに驚かせました。手で水をすくって飲んだのはわずかで、最終的に主がギデオンのために残した戦士は300人でした。しかし、神はギデオンに約束された通り、300人の軍勢をもって勝利を与えてくださいました。こうして、小数の兵士によって勝利の栄光を得られたのは神でした。しるしに寄り頼んでいたギデオンではありませんでした。

 
 
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