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 ミシュナーと呼ばれるユダヤ教の教典によれば、ローマは地元イスラエルのユダヤ人ではなく、ローマの価値観に染められた離散先のユダヤ人を4人連れて来て、大祭司職にすえたと書かれています。

 そのため、サンヘドリンはローマにおもねるようになりました。その大祭司の一族とは、イシュマエル家、フェオベ家、カトロス家、ハナン家でした。エルサレムで今日“シオンの丘”と呼ばれている場所に、かつてのサンヘドリンが置かれていました。

 タルムードにある“ペサヒーム”という章には、これらの祭司一族についての批判が書かれています。祭司が縁者を良い地位に就かせて汚職を行っていたこと、大祭司の決まりきった偽善に満ちた祈りの態度、書類に署名しながらも後で心変わりするがゆえに信用が置けなかったこと、人々が神殿で捧げ物を捧げる時期になると、手下の悪漢たちを人々に送り、棒で殴って痛めつけ、捧げ物を出すようゆすっていたこと。

 主イエスが神殿で商いをしていた両替商たちを追い出したのは、本来、神に祈りを捧げる宮である神殿を強盗の巣に変えたとして、商人たちからわいろを受け取って私腹を肥やしている祭司たちに対し、激しい怒りをもって反発したからでした。

 この祭司の家系の一つがハナンの家で、福音書にも出てきますが、カヤパは彼の義理の息子に当たり、イエスが十字架刑に処された当時、カヤパを大祭司職に任命した人物でした。

 カヤパは、最も堕落した大祭司の一人でした。1世紀のアレキサンドリアのユダヤ人であり、歴史家であったファイロは、カヤパは、袖の下をもらった時にだけ訴訟を取り上げ、重要な案件はすべて、盟友であるポンテオ・ピラトの方に送っていた、と記しています。

◆サンヘドリンで取りざたされたイエスの“違反”
(1)イエスは“モーセの律法を否定した”?
 マタイ伝5章17節でイエスは仰せられています。「わたしが来たのは律法や預言者を廃棄するためだと思ってはなりません。廃棄するためにではなく、成就するために来たのです。」

(2)イエスは“安息日を批判した”?
 当時のユダヤ教の二大学派の一つ“シャマイ”の門下では、穀物を食べるとき、手の中でもんでから食べることを禁じていました。

 しかし、もう一つの学派“ヒレル”では許されていました。マルコ伝2章23節から38節では、イエスの弟子たちが、安息日に麦の穂を摘んで食べたことに対し、シャマイの門下生だったパリサイ人から非難が起こりました。

 対してイエスは、ヒレルの学派からの教えを背景に、弟子たちは安息日を破ってはいないとし、こう結論しました。「安息日は人間のために設けられたのです。人間が安息日のために造られたのではありません。」(27節)。

 
 
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