◆62. 水分を確保するための知恵
種まきの例えに出てくる、「良い地」(マタイ13:8)とは、緑に恵まれた地域の人々から見れば、岩だらけでゴツゴツした畑です。作物が育つように石がわざと置かれているからです。なぜ、わざわざそんなことをするのでしょうか。すでに触れましたが、イスラエルでは乾季になると225〜275ミリの露が降ります。夏の灼熱の太陽が沈んだ後、岩は地面より早く冷えるので、夜間、空気中の水蒸気をたくさん集めて地面に落とします。また翌朝、強烈な日差しで、あっという間に地表の水分が蒸発して失われるのも、岩は防いでくれます。
◆63. 聖書時代から受け継がれてきた耕作地
皆さんは今日のイスラエルで、ダビデ王の時代から耕されてきた段々畑を見ることができます。これらの畑は、そのような大昔から、絶えることなくこの地を耕してきた人々によって、維持されてきました。聖書時代からある村々、例えばエルサレムに近い、洗礼者ヨハネの出身地、エイン・ケレム村の段々畑では、今でも7種の産物−ブドウ、オリーブ、アーモンド、イチジク、ザクロ、小麦、そして大麦が育てられています。
◆64. 砂漠に住む生き物
乾燥地帯に住んだ経験のない人は、砂漠はカラカラで、生命の存在しない地だと考えます。しかし実際はそうではありません。特にイスラエルの場合は全く違います。イスラエルの砂漠、ユダの荒野はアイベックス(山岳地帯の野生のヤギ)やカメ、ヘビ、トカゲ、そして、羊はもちろん、ロバ、ヤギ、ラクダなどなど、動植物で満ち溢れています。
◆65. 空は鳥たちの宝庫
イエスはマタイの福音書6章で、こうおっしゃっています。「空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。」(マタイ6:26) イスラエルの空は、いつも鳥たちで賑わっています。聖書には、スズメ、ワシ、カラス、ハゲタカ、コウノトリ、ツバメが登場します。しかし実際にはもっとずっと多くの種類が生息しています。イスラエルでは450種の鳥が見られますが、これは小さな国土にしては非常に多い数字といえます。英国諸島全体では460種、また広大なヨーロッパ、ロシア地域で800種、イスラエルの461倍の面積をもつアメリカ合衆国での725種と比較しても、この数字がいかに大きなものかおわかりでしょう。

◆66. 渡り鳥の道
なぜ、これほど多くの鳥を、見ることができるのでしょう。
イスラエルは、人間だけでなく、鳥たちにとっても、3つの大陸をつなぐ通り道を提供しているのです。北半球と南半球の間を渡る鳥たちにとって、地中海は一気に渡るには広すぎます。最南端の南アフリカから、グリーンランドやイギリス、ラップランド、北ロシアなど、北の国々に向かう渡りのルートは、すべてイスラエル上を通り抜けていきます。渡りをしない鳥たちにとっては、植物の場合と同様、どの大陸に属するかによって、イスラエルが生息の南限、もしくは北限となるのです。
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