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 ここでもイエスは弟子たちに「福音を伝える」ということを教えられました。みことばの一つに「あなたがたは、『刈り入れ時が来るまでに、まだ四か月ある。』と言ってはいませんか。さあ、わたしの言うことを聞きなさい。目を上げて畑を見なさい。色づいて、刈り入れるばかりになっています。」(ヨハネ4:35)とあります。そして、「刈り取る」とは、天の神の意志であり、また神の国はイスラエルだけに留まらず、全世界の人々に拡大されているのです。

悪霊に憑かれた異邦人の場合
 マルコ5章に、悪霊に取り懸かれた異邦人の男性が登場します。「悪霊に取り憑かれている」−そのことだけでも、恐れのあまり誰も彼に近寄らないことの要素として十分でしょう。弟子たちの目には、この男性は「悪霊に取り惹かれた」人であり、同時に「異邦人」という、二つの敬遠すべき条件を備えた人として映りました。イエスはこのような悪霊に取り惹かれた人や、らい病患者にも愛と慈悲の手を差し延べました。

 マルコ5章1節から20節に登場する、悪霊から解放された男性の話は皆さまも良くご存知でしょう。ある日、イエスと弟子たちの一行は、ガリラヤ湖の向こう岸、ゲラサ人の地に船で到着しました。そこはガリラヤ湖の東側で、ユダヤ人は住んでおらず、ゲラサの人々はユダヤ人が忌み嫌っていた職業の一つである養豚業をして、生活の糧を得ていました。(マルコ5:11)

 イエスの一行がその土地に着いた時、墓として使う横穴に住む、多数の悪霊に取り愚かれたゲラサ人の男性がいました(マルコ5:3)。その男は、夜昼となく墓場や山で叫び続け、石で自分の身体を傷つけていました(マルコ5:5)。彼らが上陸すると、彼は駆け寄って来てイエスを礼拝しました。想像するに、弟子たちは急いで船に戻り、遠くからその不快な光景を見ていたことでしょう。

 たいていの人々は、その男を無視するでしょうが、何とイエスは彼と話し始められました。そして神の力によって悪霊を追い出し、悪霊が豚2000頭に乗り移ることを許されました。その2000頭の豚は、湖になだれ落ちて溺れ死んでしまいました。人々は何事が起こったのかと見にやって来ました。そして驚くと同時に、豚が死んだことを怒り、イエスと弟子たちにその地方から離れてほしいと願いました。(マルコ5:17)

 イエスが船に乗り込もうとする時、悪霊から解放された例の男性がお供をしたいと申し出ました。しかし、イエスはお許しになりませんでした。これは一見冷たく聞こえるかもしれませんが、元「悪霊懸き」であり異邦人である彼と、弟子たちが仲良くできるわけがないと知っていたからです。

 イエスは彼を勇気づけ、立ち去るように言われました。イエスが彼に「NO」と言われたのは、12の理由(船で待っている弟子たちそれぞれが嫌がる理由)を考えておられたからです。彼らは寛容であるどころか、非常に独占的な人々でしたから、その男を受け入れることはあり得ませんでした。

 主を愛する者のために、神は物事を良い方向へ導いてくださいます。その時も良い結果を生みました。悪霊に取り懸かれていた男性は、イエスが自分にどんな大きなみ業をしてくださったかを、デカポリスの地方で言い広め、人々はみな驚嘆しました。(マルコ5:20)

 
 
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