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 サマリヤ人もまた、ユダヤ人に対して同じような感情を持っていました。ずっと後の時代になって、ある旅人が日記に書き残した内容によれば、「サマリヤを通った時食べ物を買ったが、水の入ったバケツにお金を入れなければならなかった。つまり、サマリヤ人でない人の手からお金を受け取らないのである。そして、その村を立ち去る時、後からついて来て足跡の上にわらを置き、火をつけて清めた」という信じられない実話が残っています。当然「サマリヤヘようこそ」のような、人々を歓迎する標識は絶対になかったことでしよう。

 このように、ユダヤ人とサマリヤ人の仲は険悪でしたが、人々に愛情深い態度を取ることを教えるために、イエスは「良きサマリヤ人」のたとえ話をされました(ルカ10:30-37)。これは、あるユダヤ人がエリコに下る道で強盗に襲われ、傷つき倒れていた時、親切なサマリヤ人がその人を助けましたが、同じユダヤ人である祭司やレビ人は彼を無視して反対側を逃げるように通り過ぎて行った、というお話です。ここでイエスは、犬猿の仲のサマリヤ人が、ユダヤ人を助けた愛と友情を語っておられます。私たちもそのようなことができるでしょうか。

 このように、イエスは時間をかけて弟子たちの視野を広げようとされました。

サマリヤ人の女性の場合
 サマリヤのスカルという町を訪れた時、井戸の水を汲みに来たサマリヤの女性に、イエスは伝えたいことがありました。しかし弟子たちが一緒にいる時は、それが不可能であることを知っておられました。また英語文法的な表現をしますと、彼女は弟子たちが嫌う名詞が2つ並ぶ「サマリヤ人・女性」である上に、不品行な女だったからです。なぜ、イエスは12弟子を町へ買い物に行かせたのか、考えたことがありますか。(ヨハネ4:8)。イエスは、サマリヤ人に対する彼らの偏見と態度をご存じでした。ですから、ご自分一人の方が、その女性に福音を効果的に伝えられると考えられたからです。

 イエスとその女性の会話が終わった頃、弟子たちが帰って来て、イエスが女の人と話しておられるのを不思議に思いました。しかし、誰も「何を求めておられるのですか」とも「なぜ彼女と話しておられるのですか」とも言いませんでした。(ヨハネ4:27)

 イエスは、いつも実例を用いて弟子たちに教えられました。ここでイエスがサマリヤの女性と話していることに関して、弟子たちは何の抗議も議論もせず、ただイエスの説明を待っていたようです。やっと弟子たちもイエスの教えを理解し始めたのでしよう。

 一方、イエスが話をされたサマリヤの女は次のように行動しました。「自分の水がめを置いて町へ行き、人々に言った。『来て、見てください。私のしたこと全部を私に言った人がいるのです。この方がキリストなのでしょうか。』そこで彼らは町を出てイエスの方へやって来た。……さて、その町のサマリヤ人のうち多くの者が、『あの方は、私のしたこと全部を私に言った。』と証言したその女の言葉によってイエスを信じた。」(ヨハネ4:27-30、39)。「そして、さらに多くの人々がイエスの言葉によって信じた。」(ヨハネ4:41)

 
 
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