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◆過去50年間の状況
 こうした歴史を振り返ると、現在、私たちが目にしているクリスチャンとユダヤ人の関係は、ごく最近のものであることがわかります。両者の間により良い関係が築かれ始めたのは、たかだかこの50年の間のことです。2000年のうちの50年は、ほんのわずかな時間に過ぎません。関係を改善していくためになされた努力の多くは、ホロコーストに対する反省として起こったものです。たとえ反省からであっても、とくかくこの努力は続けられています。今後も引き続きこの努力を続けることができるでしょうか。私たちがその一端を担うなら、それは可能でしょう。これは続けるべき戦いです。

 反ユダヤ主義はいまだに生き残っており、すべての社会に浸透し、人々がそれを目にしています。残念なことに、反ユダヤ主義の根は深く、なかなか断ち切ることができません。ある人々は、「この世界は良い方向へと進歩しており、反ユダヤ主義も衰退化の傾向にある」と皆さんを説き伏せるかもしれません。しかしそれは嘘です。1990年代から、反ユダヤ主義関連の事件は世界中で増加しており、ユダヤ人がほとんど存在しない日本のような国においてさえ、その萌芽を見せているのです。

 また、現在のイスラエル国家に関しては、メディアや政治家をとおして、過度に否定的なイメージを伴う報道がなされています。私の意見を言えば、イスラエルに対する世論は、過去の遺物である「反ユダヤ主義」という落とし穴に再びはまり込んでしまっているのです。ホロコーストの後、反ユダヤ主義を掲げることはもはや「流行ではない」という風潮が広まり、反ユダヤ主義はその姿を潜めたかに見えました。しかし現在、反ユダヤ主義は、イスラエルを「攻撃的なシオニズム国家」と見なし、イスラエルに対する「義憤」という形で、国家的・政治的なレベルにおいて人々の間に浸透しています。ニュー・アンチ・イスラエル(New Anti-Israel)もしくは「反シオニズム」の風潮は、古くから続いている反ユダヤ主義が単に形を変えたものに過ぎないのです。

■新たなミレニアムに向けて
 
今、第三のクリスチャン・ミレニアムが到来しました。クリスチャンとユダヤ人の間に新たなより良い関係を築くには、どのような努力が必要でしょうか。私たちは、キリスト教会がユダヤ人に対して犯した憎しみの行為について、その詳細までも理解しました。例の「賢明なラビたち」や、大勢のユダヤの人々が抱えている痛みの原因が何だったのかがわかりました。私たちクリスチャンは、教会とイスラエルそしてユダヤ人の間に、友情と和解に基づいた新しい結びつきを生み出す必要があります。もし今、私たち自身がそのために立ち上がらなかったら、誰がそれをするのでしょうか。キリスト教徒によって引き起こされたユダヤ人の痛みの大きさを前にして、くじけてしまうのでしょうか。それともあきらめてしまうのでしょうか。いいえ! 私たちクリスチャンは希望と期待を掲げ、より明るい未来を勝ち取るための戦いをする必要があります。

 私たちが一致団結して、他のクリスチャンたちにもこのことを伝え、広めていくなら、必ず大きな変化が起きます。キリスト教会自らが、この戦いの主導権を取るべきです。これは容易なことではありません。それでもなお、全世界に散らばる何千何万というクリスチャンたちがこの戦いの必要を理解し、その一端を担うことを望んでいる段階まで来ている、と私は確信しています。

 
 
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