◆ロシアのポグロム
ロシアでは1881〜1902年にかけて、ユダヤ人に対するポグロムが連続して発生しました。ポグロムとは、ロシア人キリスト教徒がユダヤ人に対して犯した、財産の破壊、略奪、殺人、レイプなどを含む行為です。人民はもちろんのこと、軍隊までが立ち上がってこれらの破壊行為を見物し、またいつでも参加することができました。教会は、この行いに対して沈黙を保つどころか、支持さえしました。一部の情報によると、何百件にもおよぶポグロムが発生し、約6万人もの人々が殺され、その数倍にもおよぶ人々が負傷しています。
◆ホロコースト
「反ユダヤ主義」というキリスト教社会による間違った教えが、キリスト教史における第二のミレニアムにおいて最高・最大の頂点を極めたのが「ホロコースト=大量殺戮」です。ホロコーストは、ユダヤ人問題解決のためにアドルフ・ヒトラーが採った最後の手段でした。
当時、ドイツは世界の中でも最も啓蒙化され、知的に開化され、文化的であった国の一つでした。それにもかかわらず、ドイツのキリスト教社会はヨーロッパでのユダヤ人撲滅を見過ごし、実際に撲滅に参加する人々まで出してしまったのです。
600万人の人々(うち100万人は子どもたち)が、ヒトラーとナチスの暴力による犠牲となりました。ヒトラーによる著作、スピーチ、彼が作製した映画に見受けられるのは、撲滅しなければならない「害虫」として表現されたユダヤ人でした。この世界に一つの悪が存在し、その悪の共通の根源となっているのが、ヨーロッパのあらゆる国やあらゆる地域に存在しているユダヤ人である、とヒトラーは結論づけたのです。「ユダヤ人は『キリスト殺し』である。彼らを管理し、社会から隔離して、識別するためのマークをつけさせる必要がある。また、彼らが従事できる職業を限定し、医学・芸術・化学・教育などの分野から追放する。彼らのシナゴーグと祈祷書を焼き捨て、財産を没収し、追放するか、もしくは殺さなければならない」……これがヒトラーの理論でした。
彼の表現は、何となく「どこかで聞いたような」気がしませんか。これらの迫害は、政治権力を握った教会が、過去の幾世紀にも亘ってすでに行なってきたことなのです。ヒトラーの行いに目新しいものは何もありません。過去に行われたことを、ただスケールを拡大させてより効率よく行なっただけです。悲しむべきことに、彼はこれらのことを教会の歴史をとおして学んだのです。
ヒトラーと彼の信奉者たちは、確実に真のクリスチャンではありませんでした。ナチスの哲学は、キリスト教よりも異教の神話の影響をより強く受けていたのです。しかし、ナチスに属していた人々の多くが、ルーテル派もしくはカトリック教会のメンバーでした。ちょうどアメリカの人種差別団体であるクー・クラックス・クランが日曜日には教会に出席しているのと同じ状況です。ナチスの人々は、歴史的に「キリスト教国」といえる国々においてこれらの迫害を行なったのです。そして当時のキリスト教界は、これらの悲劇を前にして、まるで何も聞こえないかのように完全に沈黙していたのです。
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