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 残念ながら過去1900年間に亘って、キリスト教徒と隣り合わせで生きてきたユダヤ人の共同体には、キリスト教徒もしくはキリスト教自体から愛もしくは敬意を示されたということはほとんどありません。愛や敬意どころか、彼らがキリスト教徒から受けてきたのは、ほとんどの場合、憎しみや蔑み、迫害、さらにはキリスト教徒自身の手によって下された死であったのです。「愛とあわれみ」の教えはどこへ行ってしまったのでしょうか。

 一般的にほとんどのクリスチャンが、この生々しい悲劇の歴史についてわずかのことしか知りません。しかしユダヤ人共同体のほうでは、これらの悲劇的な歴史を鮮明に記憶しています。ユダヤ人たちに対して愛とあわれみを示す代わりに、多くのキリスト教徒たちは、ユダヤ人を迫害するために十字架を剣へと変えてしまいました。ドクター・エドワード・フランネリーという人物は、彼の著書『ユダヤ人の苦悶(Anguish of the Jew)』の中でこう語っています。「キリスト教の歴史についてユダヤ人が記憶している出来事は、教会が歴史の本から破り取って燃やしてしまったページにのみ記されている」と。

 それゆえ、この新しいミレニアムのはじめに私たちクリスチャンとユダヤ人そしてイスラエル国家との間に新たなる関係を築き上げ、発展させていくためには、これらの歴史のページを再読していく必要があります。ジョアン・マグナソンという女性は、『反ユダヤ主義とユダヤ人の体験(Antisemitism and The Jewish Experience)』(邦題・仮)という、大変よくまとめられた小冊子を著しました。その中で彼女はこのように指摘しています。「聖書を信じるクリスチャンの多くが、ユダヤの人々に対して愛と助けの手を差し伸べたいと望んでいる。しかし、ユダヤの人々がキリスト教徒から受けた痛みについては気づいていない」

 また、ある賢明なラビはこう語っています。「私が傷つけられる原因が何であるのか理解できない限り、私を愛しているなんて言わないでほしい」

 このラビを含め、ユダヤ人が受けた痛みの原因が何であるのか、しかもそれが私たちキリスト教徒によってもたらされたものであるなら、なおさらその理由を見つけ出す必要があります。私たちが直面している問題を明らかにするため、ユダヤ人に対してキリスト教徒が何を行なったか、まずはその歴史を短くまとめてみたいと思います。

■最初のミレニアム(AD1〜10世紀)におけるキリスト教の歩み
 まずイエス以降の、紀元後最初の1000年間について学んでいきましょう。これは、キリスト教とともに反ユダヤ主義の青写真が西側世界の大部分に広がっていった時期から始まります。

◆最初の4世紀
 紀元1世紀、教会はまだユダヤ的背景との密接な関係を保っていました。またイエス自身、彼の教えを何か別の方向へ導こうとは全く考えておられませんでした。

 結局のところ、イエス自身もユダヤ人であり、彼の教えの基盤は旧約聖書にありました。マタイ書5章17節から18節において彼はこう述べています。「わたしが来たのは律法や預言者を廃棄するためだと思ってはなりません。廃棄するためにではなく、成就するために来たのです。まことに、あなたがたに告げます。天地が滅びうせない限り、律法の中の一点一画でも決してすたれることはありません。全部が成就されます。」

 
 
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