当時、エジプトはナイル川に沿って穀物を育てていました。「足でそれに水を注いだ。」とは、足漕ぎ水車で畑に水を引いたことを指します。人力で水を引くのではなく、イスラエルでは、神が雨を降らせて畑を潤してくださるというです。
“神はイスラエルの地に降る雨の供給者である”――この重要な点が、その地に入る前にイスラエル人たちにはっきりと伝えられました。
「もし、きょう、あなたがたに命じるわたしの命令によく聞き従って、あなたがたの神、主を愛し、心をつくし、精神をつくして仕えるならば、主はあなたがたの地に雨を、秋の雨、春の雨ともに、時にしたがって降らせ、穀物と、ぶどう酒と、油を取り入れさせ、また家畜のために野に草を生えさせられるであろう。あなたは飽きるほど食べることができるであろう。」(申命記11:13-15、口語訳)
我々の暦では、11月から翌年2月までがイスラエルの雨季です。しかし聖書には秋の雨と春の雨、あるいは初めの雨と後の雨と書かれています。初めの雨とは秋、9月末に降る雨を指し、後の雨とは春、3月末から4月に降る雨を指します。これらの雨は、雨季の中でも特別な祝福として捉えられています。
中央山地があるおかげで、地中海から東に吹く湿った空気が山を登るにつれ、スポンジが絞られるように収縮して雨を降らせます。その空気がエルサレム、ベツレヘム、ヘブロンなどの山域を越えると、今度は海抜0メートルに近いヨルダン渓谷へと下りつつ膨張していきます。スポンジが元の大きさに戻った場合と同じように、空気中の湿気はもう雨となって地に落ちることはありません。その結果、中央山地の西斜面は雨で潤って多くの緑あり、東斜面は年間平均降雨量がほんの50ミリしかありません。結果、エリコなどがあるユダヤは荒地となっています。
エルサレムとロンドンの年間平均降雨量が共に550ミリであることは注目に値します。異なる点は、エルサレムではそれが50日ぐらいに集中して降るのに対し、ロンドンでは300日以上かけてゆっくり降ることです。
雨季の期間である冬の間、イスラエルの雨量は地方によって様々です。北西方向へ進むほど、より多く降り、反対に南西へ進めば進むほど、より乾燥していきます。
雨がまばらであることから、イスラエルでは1年のうち40〜60日しか雨の日がありません。しかし最南西端のエイラットでは、平均降雨量が年に12.5ミリ、また死海やエリコでは年25〜50ミリ以下です。こんなに雨が少ないのに、イスラエルの木々や野の植物たちはどうやって生きているのでしょうか。
海岸平野や山地の西斜面には、海から湿気を多く含む空気が毎晩上ってきて、豊かに露を降らせます。露は年間260日降り、雨の降らない夏の間(4月〜11月)平均225〜275ミリもの水を供給します。
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