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◆イスラエルの山々
ヨルダン渓谷の西に連なる主要山脈はカルメル山から始まりますが、これらの「丘々」は923m級で、この山脈が南北に走っているため、この山脈から始まる谷の裂け目は東西に伸びています。そのため、南北間を旅するには西の海岸平野か東のヨルダン渓谷を通るか、あるいはこの山脈の尾根伝いに進むしかありません。
これらの山々は、「イスラエルの山々」と聖書に書かれています(エゼキエル6:2-3、33:28、36:8など)。この尾根伝いの道沿いに、聖書に登場する有名な町々であるシェケム、サマリヤ、ティルザ、エルサレム、ベツレヘム、そしてヘブロンなどがあります。数多く聖書の物語の舞台となり、何千年もイスラエル人たちに住み継がれてきたこれらの多くの地(聖書で言うユダヤ、サマリヤ)は、今日、パレスチナ自治区領西岸地域に入ります。
イスラエル最高峰である、ヘルモン山(標高2841m)はゴラン高原の北、イスラエル北東部に位置します。ガリラヤ地方で最も高い山はのメロン山(1219m)です。南にそびえる2308m級のシナイ山脈で一番高いのは、シナイ山やホレブ山と並ぶ、標高2537mのカタリナ山ですが、その名前はモーセがシナイ山で神の律法を受けたことを記念して建てられた、ふもとにある聖カタリナ修道院から来ています。また、ヨルダン川とアラバ渓谷の東には1563m級の山々があります。
死海だけでなく、これらイスラエルの山々からも豊富な鉱物資源が採掘されます。これは聖書にも所々に書かれています。それらは肥料に使われる燐酸塩、ウラニウム、硝砂、陶磁器の原料のカオリン粘土、赤や黄の絵の具の原料になるオーカー、石膏、硫黄(創世記19:24、「そのとき、主はソドムとゴモラの上に、硫黄の火を天の主のところから降らせ……」)、瀝青とアスファルト、銅、鉄鉱石(ヨブ28:2、「鉄は土から取られ、銅は石を溶かして取る。」)、マンガン、長石、水晶、めのう、玄武岩、大理石、そして花崗岩などです。エイラット・ストーンは独特の美しい青緑の石で、宝石として用いられます。これらの鉱物のほとんどがネゲブ地方から採られています。
ティムナからは、約3000年前のエジプト人とソロモン王の大規模な銅鉱山が、その精練所跡とともに発見されています。エイラットのすぐ北の山々には、10万トンもの銅鉱石が眠っていることをベルギー人の技師たちが確認しています。約束の地についてモーセは、「その地の石は鉄であり、その山々からは青銅を掘り出すことのできる地」(申命記8:9)であると保証しています。
◆素晴らしく多様性に富む小さな国
現在のイスラエルも同様ですが、聖書時代の人々が居住していたたいていの地域はいつも同じ範囲内にあり、たったの8000平方マイルくらい(四国より少し大きめ)でしかありません。しかし、そこには信じ難いほど多様な景色が存在します。地中海沿岸の東からすぐに山々が盛り上がり、そこからヨルダン渓谷へ海面下まで落ち窪んでいく地形とそこを吹く西風が、変化に富んだ気候と地勢を作り出しているからです。
しばしば山地と平野、肥えた野原と砂漠などが車で数分の距離で隣り合っています。イスラエルの幅は西の地中海から東の死海までが約50マイルで、車なら1時間半で行ける距離です。 |