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No.111(2007/2/17)

紛争の火種「神殿の丘」

エルサレム「神殿の丘」で、パレスチナ人とイスラエル治安部隊との衝突がありました。
現地では「聖地」をめぐる緊張感が続いています。

パレスチナ自治政府のアッバス議長とハマスのハニエ首相らが
サウジアラビアのメッカで統一政府に向けた会議を開きました。
オルメルト首相らイスラエル政府は、今後の対応について検討しています。

主の再臨の地、エルサレム。主の日が近づくにつれて戦いは激しくなります。
今週もエルサレムの平和のために、イスラエルを導く指導者たちのために
主の勝利を宣言して祈りましょう。

主に覚えられている者たちよ。黙り込んではならない。
主がエルサレムを堅く立て、この地でエルサレムを栄誉とされるまで、
黙っていてはならない。(詩編62:6-7)


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「神殿の丘」紛争
メッカ・パレスチナ人会議
レバノン国境でレバノン軍とイスラエル軍衝突
反ユダヤ主義の恐怖

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■ 「神殿の丘」紛争

エルサレム旧市街にある神殿の丘。ここで2月9日(金)、イスラム教徒のパレスチナ人と、イスラエル治安部隊の衝突がありました。

9日正午すぎ、神殿の丘で礼拝(約9000人)を終えたパレスチナ人の一部がイスラエル治安部隊に向かって投石を開始。イスラエル警察など300人が突入して、催涙弾、スタンガン、ゴム銃などで鎮圧をはかりました。幸い死者はありませんでしたが、パレスチナ人15人、イスラエル警察など15人が負傷しました。17人が逮捕されました。

現場では、礼拝を終えて神殿の丘を出るパレスチナ人男性の群れ、多数の治安部隊隊員、カメラをかかえた報道陣、救急車がサイレンを鳴らして走り去り、一時騒然となりました。
(警察、国境警備隊、イスラエル軍)を派遣し警戒にあたっています。緊迫した状況は一週間後の現在も続いています。

<なぜこのような事が起こったか>
神殿の丘の西側は「西壁」または「嘆きの壁」と呼ばれ、ユダヤ人がかつての「聖所」に最も近い場所として日々祈りを捧げている場所です。(写真:神殿の丘の向かって左側の壁面の一部)

その「嘆きの壁」広場から旅行者が徒歩で神殿の丘へ登っていくための通路(マグラビ門)がありました。この通路は2004年、地震と例年にない暴風雪で一部が決壊し、大変危険な状況となりました。(写真:嘆きの壁から左手前に伸びている尾のような部分)

イスラエル政府は、この通路を段階的にもっと安全な形にする計画を立てました。まずは鉄筋の足と木でできた一時的な橋を造りました。これが現在の状況です。時期を見て橋を神殿の丘の南側、考古学公園側から上る橋にする計画でした。

その準備として今年2月、考古学者らが、新しい橋が作られる予定の場所、現在の橋のすぐ南側の発掘を始めました。まもなく、初期のイスラム・ウマヤド王朝時代、ビザンチン時代のものが出てきました。考古学者らは、あと6ヶ月も掘り進めれば、第二神殿時代(イエス時代)の通路が出てくると予想しています。

イスラエルの考古学者たちが、発掘にブルドーザーを使っていたため、パレスチナ人たちは、イスラエルが「神殿の丘」のモスクを破壊しようとしているとして抗議の声をあげていました。

イスラム運動の北部担当指導者リアド・セラ師とそのサポーターが7日(水)糞門に到着し、神殿の丘に入ろうとしてイスラエルの治安部隊と暴力的な紛争になっていました。イスラエル政府はセラ師一行が旧市街に入ることを禁じ、かつ10日間は旧市街から150m以上離れているよう命じました。翌8日(木)の午前中、糞門近くで数百人のパレスチナ人がデモを行いました。

パレスチナ人たちは、「パレスチナ自治政府とハマスが統一国家にむけた会議をしている間に(次の記事参照)微妙な所の工事を行って、イスラエルは和平を妨げようとしている」と訴えていました。

イスラエル政府は、9日の礼拝日には45歳以上のパレスチナ人が旧市街に入ることを禁止し(暴力的になる可能性が高い年齢層)、治安部隊3000人を神殿の丘、嘆きの壁、ダマスカス門周辺に配置して警戒していました。しかし、正午すぎ、神殿の丘で礼拝が終わると同時に、イスラエル治安部隊に向かって投石をはじめ、今回の紛争勃発となりました。緊張は今も続いています。

<紛争が危険な事になる可能性>
紛争が始まってまもなく、エジプト政府は、イスラエル大使を呼び寄せ、直ちに発掘をやめなければ、世界中のイスラムが暴発する可能性があると警告しました。

ペレツ国防相も、オルメルト首相に直ちに発掘をやめる指示を出すよう提言しました。1996年、イスラエルの考古学者が、神殿の丘地下の遺跡のトンネルをほりぬいた時、大規模な紛争が起こり、パレスチナ人デモ隊69人、イスラエル兵16人が死亡するという苦い経験があるからです。

しかし、1996年のトンネルの時も、今回も、神殿の丘自体にはなんら影響の無い発掘でした。特に今回は、神殿の丘の外側で行われている発掘であり、位置的にもまったく神殿の丘には影響がありません。

オルメルト首相は、今回の発掘は国際的にも合意を得た上で始めたもので、中断する必要はないとしてペレツ国防相の提言を拒否しました。

考古学者たちは、今発掘を中断すれば、貴重な遺跡物が痛んで永遠に失われてしまうとして、現在も発掘を継続しています。

治安関係者は、発掘がイスラエル非難と紛争の種にされるなら、新しい橋は造らず今のままでいいのではないかとの考えが広がっています。今後の対応に祈りが必要です。

*なぜイスラエルの考古学者は、「神殿の丘」で自由に発掘できないか?

「神殿の丘」はイスラエルの土地なのになぜ、考古学者たちが自由に発掘できないのでしょうか。イスラエル政府はなぜイスラム教徒に対して発言権がないのでしょうか。

「神殿の丘」はモリヤの山と呼ばれ、かつてイスラエルの神殿が建てられていた場所です。しかし、神殿は、西暦70年、ローマ帝国によって破壊されました。以後、現代イスラエルが再建されるまで、1900年近くもエルサレムはユダヤ人不在となりました。その間、エルサレムは、キリスト教徒(ビザンチン時代)に続いて、600年代からは1000年近くもイスラム教徒が支配する町となりました。イスラエルの神殿があった場所(神殿の丘)には、黄金のドームとモスクが建てられ、イスラム教徒にとっては、メッカ、メジナに次ぐ3番目の聖地になりました。

1967年、六日戦争で、イスラエル軍が神殿の丘を含むエルサレムを奪回しました。しかし、イスラムの聖地になってしまった「神殿の丘」をユダヤ人のものとして宣言することができませんでした。世界中のイスラム教徒が怒って大戦争になる可能性があったからです。イスラエルは、「神殿の丘」をイスラエルの主権下、しかし、イスラム教財団「ワクフ」の管理するところと決めました。この決定により、イスラエルの考古学者が「神殿の丘」に入ることができなくなりました。

神殿の丘から発掘されるユダヤ人の神殿(第一、第二神殿)に関する考古学的発見を、イスラム教徒は快く思っていません。「ワクフ」は神殿の丘の地下に巨大なイスラムの礼拝所を作り、そのときに出てきた貴重な遺跡遺物をぞんざいに処分してしまいました。また、無計画に地下を改造しているため、神殿の丘がいつか沈下するのではないかとの懸念もあります。

<祈り>
  1. 紛争が拡大せず、早く収まるように


  2. イスラエル政府の今後の決断がイスラエルに益となる決断となるように


  3. イスラム教徒のイスラエルに対する憎しみが取り去られるように


  4. 旧市街で警備に当たる若い治安部隊兵士たちの安全のために


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■ メッカ・パレスチナ人会議

パレスチナ自治政府のアッバス議長(ファタハ)と、ハニヤ首相(ハマス)の対立から、パレスチナが内乱状態になりすでに100人以上のパレスチナ人が犠牲となりました。これを受けて、7日からサウジアラビアのメッカにおいてパレスチナ人会議が開かれました。(神殿の丘の紛争と同時期)

参加したのは、アッバス議長、ハニヤ首相、ハマス軍事部門のマシャアル氏(シリア在住)。「メッカ合意」と称される会議のまとめはアッバス議長からハニヤ首相への書簡の形で発表されました。

<メッカ合意>
1. 基本法に基づいて5週間以内に内閣を(ハニヤ首相が)形成する
2. (ハニヤ首相が)選定した内閣をPLC(パレスチナ評議会)に提出し承認を受ける
3. (ハニエ首相は)パレスチナ政府の最高指導者として、PLC、国家和解条項、アラブ・
  サミットの承認するところにしたがい、パレスチナ市民の権利を守り、市民の最善を行って
  国家目標を実現するよう任命する。

この合意の中には、「イスラエルを認める」「暴力の停止」「今まで合意に至った条項を満たす」など肝心な3条項はいっさい含まれていません。この3点はカルテット(アメリカ、EU,UN,ロシア)が和平の条件として提示している条件でもあります。

メッカ合意に上記3点が明示されていないことに関して、アッバス議長は、「PLC,国家和解条項、アラブ・サミットの承認するところにしたがい」の中に3点が含まれているとして、カルテットの考えに反していないと主張しています。しかし、現実には、まだ合意していない点があると見られています。アッバス議長は、14日、合意について国民に発表する予定でしたが、延期しました。

カルテットは今のところ、メッカ合意を支援したサウジアラビアに敬意を表しているだけです。ロシアだけは9日、メッカ合意を認めました。

今後、19日(月)にオルメルト首相、アッバス議長、米ライス国務長官の3者会議、その3日後にカルテットの会議が行われる予定です。

<イスラエルの対応>
メッカ合意を受けて、イスラエル政府は、アッバス議長がハマス内閣と同じ所に立っているとして失望し、今後の対応を再検討しています。

オルメルト首相の対抗馬であるリクードのネタニヤフ氏はじめ指導部の一部は19日の3者会議をキャンセルするよう要求しました。オルメルト首相は、決断を早まるべきでないとしてキャンセルはしない方針です。しかし、アッバス議長への支援策(人道支援)を提示することはしない予定です。

<祈り>
  1. オルメルト首相が最善の決断をすることができるように


  2. 19日の3者会談、その3日後のカルテット会議でイスラエルに益となる結論が導かれるように


  3. パレスチナ側に、交渉できる現実的な政府が導かれるように


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■ レバノン国境で、レバノン軍とイスラエル軍衝突

2月5日、南レバノンの国際国境線のイスラエル側にヒズボラが埋めた爆発物が発見されました。

7日、イスラエル軍の工兵部隊がUNIFIL(国連レバノン暫定軍)と共に、爆発物の撤去を行っていたときに、レバノン軍が威嚇砲を打ち上げました。イスラエル軍はUNIFILを通して、状況を説明しましたが、レバノン軍は2発目を打ち上げました。3度目には、イスラエル軍に向かって攻撃してきたため、イスラエル軍は反撃しました。けが人はありませんでした。

<アシュケナージ新参謀総長就任>
新しいイスラエル国防軍最高司令官となるガビ・アシュケナージ参謀総長の任命式が行われました。

アシュケナージ氏は、前ハルーツ参謀総長とは同じモシャブ(共同農場)で育った旧友です。ハルーツ氏は必要ならいつでも支援すると暖かく引き継ぎが行われました。

アシュケナージ氏は、対立するオルメルト首相とペレツ国防相との間に立ち、国防軍の改革を進めることになります。
アシュケナージ氏は、まず「できるだけ早く、レバノン戦争の教訓を取り入れ、次の戦いに備える。」と語っています。

<祈り>
  1. アシュケナージ新参謀総長にすぐれたリーダーシップと洞察力が与えられるように


  2. ヒズボラのすべての企てが明るみにだされるように


  3. レバノン国境、ガザ国境の最前線にいる兵士たちの安全のために


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■ 反ユダヤ主義の恐怖

昨年2月13日、パリでイラン・ハルミさん(23)が、イスラム系移民の集団に拉致され、3週間拷問された上、残酷に殺害されました。理由は「ユダヤ人である」ということでした。イランさんの家族は、遺体をイスラエルに葬ることを希望し、今年2月13日、イスラエルのギブアット・サウルの墓地に葬られました。

ユダヤ機関(Jewish Agency)議長のビエルスキ氏は「世界では反ユダヤ主義が醜い頭をもたげ始めている。この事件は改めて、世界のユダヤ人は団結しなければならないということを実感させられた。」と語っています。

<花屋さんの勝利>
イギリスにBGI(Boycott Israeli Goods)という団体があります。親パレスチナの人々で形成されており、「人種差別、占領者のイスラエル」に利益をもたらさないことを目的としています。

2月14日はバレンタインです。BIGは、バレンタインに向けて大量に運ばれるイスラエルの花を積んだトラックを妨害する計画を立て、3ヶ月前からブログやインターネットで妨害参加を呼びかけていました。
しかし、10日(土)朝、イスラエルの花をいっぱいに摘んだトラックがロンドンの本社を出ようしたときに妨害となるものはなにもありませんでした。(静かな休日の朝だったため大騒ぎにならなかったと思われる:写真右)

翌11日(日)に現れた妨害者は15人にすぎず、警察の交通整理で難なくトラックは出て行きました。お花は行くべき所に全部無事運ばれました。花輸出業のカルメル・アグレキソのアモス・オールさんは、勝利を宣言しました。

これからヨーロッパでの反ユダヤ主義はますます激しくなると警告されています。

<祈り>
  1. パリやロンドン、ヨーロッパの大都市に住むユダヤ人が早くイスラエルに来るように


  2. 特にパリにいるユダヤ人たちを覚えて、守られるように


  3. イランさんの家族の心の痛みに主が触れて下さるように


ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、
           イスラエル外務省HP、ハアレツ、
           エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、
           CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

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