◆THE PEOPLE(その民)
イスラエルの地だけが神にとって特別なのではなく、その民もまた特別です。申命記7章6節には「あなたはあなたの神、主の聖なる民だからである。あなたの神、主は地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。」と記されています。
なぜ、この詩篇の記者は、他の民族が選ばれなかったことで、神を賛美しているのでしょうか。それはおそらく他の民族であれば、契約の民として、現在まで持ちこたえることができなかったからです。通常、外国へ流れた民は、200年しないうちに自身の民族性を完全に失ってしまいます。しかし、ユダヤ人は諸外国へ散ってから実に2000年間も、そのアイデンティティーを失うことがありませんでした。また、一部の国々では、聖書を削ったり変えたりして、神のみことばの純粋性を変質させてしまうケースがありました。極端な一例では、シオンに関する言及をすべて取り除いてしまったものもありました。しかし、ユダヤ人は神のみことばを、一字一句たがうことなく、そのまま何千年間も保ち続けてきました。神が与えてくださったまま、寸分たがわぬ聖書を読める幸いを、私たちは彼らに感謝する必要があります。
「ユダヤ人はその不信仰のために、選民の地位を失った」とは、何世紀にもわたって言われ続けてきたことです。神のご計画とあわれみから切り離され、のろわれたゆえに地上をさまよい続けるのだと。そのようなことがあり得るでしょうか。聖書は不従順ののろいについて語っていますし、私たちもそれを体験しています。そしてユダヤ人も、神のおきてに逆らったがゆえに、のろわれる者たちが受ける痛みを味わってきました。しかし聖書には、こうも記されています。「それにもかかわらず、彼らがその敵の国にいるときに、わたしは彼らを退けず、忌みきらって彼らを絶ち滅ぼさず、彼らとのわたしの契約を破ることはない。わたしは彼らの神、主である。」(レビ26:44)と。
ローマ書11章1、2節でも同じことが語られています。使徒パウロは、神がご自分の民を決してお見捨てにならないということに、大いに力付けられています。エレミヤ書31章35節から37節で神は、「ご自分の定めた太陽と月、海が御前から取り去られるなら、イスラエルの子孫も絶たれ、御前に一つの民であり続けることが永遠になくなる」「もしも天が量られ、地の基が探り出されるならば、イスラエルをその罪のために退ける」とおっしゃっています。つまり、御民イスラエルとの間に結ばれた契約は、自然界に定められた法則と同じくらい、不変であると明言しておられるのです。このことを通して、聖書はユダヤ人が永遠に神の選びの民であることを高らかに宣言しています。これは、生ける神が確かにいらっしゃること、そしてご自分が結ばれた契約を、ユダヤ人、そしてクリスチャンに対しても守られるということを表しています。
こんな話があります。時のドイツ皇帝で無神論者であったフリードリヒ大王には、非常に頼りになる、信仰のあつい侍従医がいました。ある日その医者に、「神がいることの証しを見せてみろ。ただし時間がないから急げ!」と要求しました。医師は即座に、「陛下!それはユダヤ人です」と答えたということです。
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