2002年6月
―逃げ道のないパレスチナ人クリスチャンのために―
◆アラブ人クリスチャンの解放
世界中が非難するイスラエル軍侵攻の裏に、「アラブ人クリスチャン解放」という報道されない事実がありました。パレスチナ政府に政治犯として投獄される多くが、アラブ人クリスチャン、もしくは自治政府に反抗する人々です。彼らは「イスラエル内通者」の容疑をかけられ、拷問に遭い、やがては処刑されていきます。 3月にイスラエルが侵攻したナブルスの刑務所には、200人近くの政治犯が収監されていました。このナブルス刑務所から救出されたアラブ人クリスチャンの話を、2つご紹介したいと思います。
◆サイードさんの場合
サイードさん(仮名)は2年以上にわたって刑務所に収監されていました。ある日彼は、自分の名前が、翌日処刑される7人のうちの1人に挙げられていることを知らされました。しかしその夜、看守たちが突然刑務所を放棄して逃げ出してしまったのです。彼はベッドの部品から金属棒を取り出し、他の人々とともに壁を破り、刑務所を抜け出してイスラエル軍のもとに駆け込み、まだ100人以上が刑務所の中にいることを告げました。今まさにその刑務所を破壊しに行く途上だったイスラエル軍は、破壊する代わりに壁を崩し、収監されていたアラブ人クリスチャンたちを解放しました。
パレスチナ側はイスラエルに対して、「その刑務所はすでに空だから破壊してもよい」と告げていましたが、実は内部にアラブ人クリスチャンたちが200人も残っていたのです。自治政府は、自分たちの始末したい人々をイスラエルの手で始末させ、なおかつ「イスラエルが無防備のパレスチナ人200人を虐殺した」と発表することができる、一石二鳥を狙ったのです。こういったシナリオは毎日のように仕組まれていますが、神さまのご介入により、これらのことが幾度も未然に防がれています。皆さまの祈りが、このような形でも聞かれていることを、ぜひ知っていただきたいと思います。そしてさらに神さまは、アラブ人クリスチャンを、死の淵から救い出す手段としてイスラエルを用いておられるのです。
◆ムスタファさんの場合
ムスタファさん(仮名)は子どものころ、村に聖書を配りに来た宣教師と出会いました。それから30年を経て大人になったある日、彼の兄弟が別の宣教師から聖書を受け取り、信仰の語を聞きました。そしてその話を彼とも分かち合いました。彼は子どものころに出会った宣教師を思い出し、教会に行ってみようと決意しました。そして訪れた教会(アラブ人教会)で、彼は驚くべきものを目にしたのです。それは、そこに集っている人々の目でした。彼らの目の中には、憎しみの影がまったくなかったのです。そこに漂っていたのは、お互いに対する理解と愛でした。モスクでは人々が言い争い、ユダヤ人とクリスチャンを憎むよう教えられました。しかし、教会が教えているのは、イエスヘの愛と信仰だったのです。彼らはユダヤ人もイスラム教徒も憎まず、むしろ「神はクリスチャンもユダヤ人もイスラム教徒も愛しておられる」と教えていました。 |