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◆悲劇はマサダだけなのか
 日本で唯一、地上戦を体験した沖縄の女性が、この話を聞いてポツリとこう言いました。「戦争中、私たち沖縄県民も、たくさんの人たちが同じように死を選びました。沖縄は島国でしょう。だからちょうどマサダの要塞に閉じ込められたのと同じで、どこにも行くことができなかったんですよ。逃げ込む場所さえあれば、もしかしたら生き延びることができたかもしれないけれど……。行くところがないって、こういうことなんですね。でも、私たちはまだ幸せですよ。その後、国をなくして追い出されるようなことはありませんでしたからね。」沖縄戦における痛みは、今なお日本中の傷として、深く人々の心に刻まれています。

 マサダでの抵抗を最後に、世界中に散らされたユダヤ人は、マサダと同様の苦しみを受け続けてきました。離散後、彼らはどこへ行っても「ユダヤ人である」という理由だけで差別を受け、あるいは虐殺されてきました。

 もしナチスの時代、イスラエル国家が存在していたなら、600万人もの尊い命が奪われることはなかったでしょう。逆に言うなら、イスラエル国家が存続し続けていれば、彼らはあの大量殺裁を経験することはなかったのです。当時ユダヤ人は多くの国で嫌われ、行く場所がありませんでした。

◆イスラエルを死守する理由
 ユダヤ人は、1回だけこの苦しみを通過したのではありません。1900年間、継続的にこの痛みを味わってきたのです。愛する家族や友人を失っていくこの辛さは、遺伝子に刷り込まれていくのではないかと思えるほど、強く継承されていくものだったに違いありません。戦争や迫害を知らない現代の若者でさえ、まるで自分が体験したかのように痛みを感じています。

 チェルノブイリの原発事故は、多くの犠牲者を出しました。その中の多くはユダヤ人でしたが、ロシア政府には彼らを治療する医療費がなく、無条件でユダヤ人の帰還を受け入れるイスラエルに責任を移行しました。ユダヤ人を出し惜しみしていたロシアでしたが、この事故をきっかけとして、ロシア全土でイスラエルへの門を開いたのです。

 イスラエルは、1948年に再建国されたばかりの新しい国です。国民総生産を上げるためにも、若い元気な力が必要なのは、言うまでもありません。しかし、必ずガンになる、あるいはすでにガンになっていて、国の力とは成り得ない人々を、イスラエル政府は拒絶しませんでした。イスラエルは決して裕福ではありませんが、喜んで彼らを受け入れています。現在、イスラエルの病院は、どこへ行ってもがん患者であふれています。何も持たずに帰還して来た彼らから、治療費を取れるはずもなく、国は貧しい中で彼らの命を支えています。イスラエルではユダヤ人を、今なお無条件で受け入れています。担架でしか運ぶことのできないお年寄や病人でさえ、両手を広げて待っているのです。

 なぜここまでして、四国ほどの大きさしかなし、この国を守らなければならないのでしょう。それは、「全世界のユダヤ人に、帰って来る場所を与えるため」です。戻れる故国がないために、流され続けてきた悲しみの血を、彼らはもう二度と流したくないのです。

 

 
 
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