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H.M.2000年1月

 1999年8月と10月の2回、「救出作戦」のために、主に導かれてシベリアへ行って来ました。

 シベリアでは、ロシアの経済破綻以来、生活環境が日々悪化しています。年金生活者の年金は、毎月ほんの10ドルちょっとです。さらに深刻な問題は、学校の先生をはじめ公務員に、給料が年に数度しか支払われていないということです。しかし、これといった仕事があるわけではないので、辞めるわけにもいかず無給で働いています。最近、物価が高騰する中で、そういった人々が困窮を極めています。

 ロシア人のユダヤ人に対する感情は、決して良くありません。ユダヤ人社会は二極化しています。政治家、経済評論家、有力なビジネスマンにはユダヤ人が多く、人口の1%にも満たないユダヤ人に、この国が支配されているという悪感情を持っています。一方、貧しさの中で貧困にあえいでいるユダヤ人が多数いることも事実です。

 この反ユダヤ感情は、地方におけるシナゴーグ(ユダヤ人の会堂)の焼き討ちのような形で現れており、シベリアでも数年前にシナゴーグが焼き討ちに合いました。その後ホテルをその場所に建てましたが、そのホテルまでも焼き討ちに合い、今は放置された荒地となっています。

 今回、私がシベリアで実際にお会いしたユダヤ人男性は、20年間教師生活を送ってきましたが、3年前に解雇になってしまいました。夫人も教師でしたが解雇になりました。それ以来、毎日職探しをしていますが、仕事がなく失業したままです。彼は誠実そうな立派な中年男性でした。彼の家には二人の娘がいて専門学校で勉強していますが、その娘に「なにもしてあげられない」と涙を流していました。彼は、「この土地では、全く希望が見いだせない。イスラエルへ帰りたい。」と言ってました。もちろん、彼らにビザやパスポートを手に入れるお金はありません。

 幸いBFPからの援助で、パスポートとビザを取得してまもなくイスラエルに帰ることができることになりました。彼は、「この救出作戦のために、何か協力できることがあれば、進んでお手伝いしたい」とまで言っているそうです。彼と出会わせていただくことができて、本当に喜んでいます。主に感謝します。

 ロシアの人たちが、お金無しに生き続けられるのは、各家庭が所有する“ダーチャ”という家庭菜園で、ポテトやトマトを作って糧を得ているからです。ダーチャによって生かさず殺さず、ぎりぎりの生活ができるように作られた社会システムは、共産主義時代が残した知恵といえます。

 実際に、シベリアの地を2度この足で踏んで一番強く感じたことは、「ユダヤ人への救出の手が差し伸べられるとき、主が共にいて働いてくださっている」という、確かな手応えでした。これは変えることのできない事実です。この働きは、奉仕する者に、多くの恵みと祝福をもたらします。主が近くにいてくださって支えてくださいます。言葉ではなく、霊的に強められ、目に見える形ではなく、信仰が臨在の中に確認されていく素晴らしい奉仕です。

 実際に現状を見た私は、黙っていることができません。どうか共にお祈りください。

 
 
 
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