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Key For The Bible
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TEXT. スティーブンス・栄子/B.F.P. Japan理事長

 私は二人の子どもを持つ母親です。その子どもたちも今はそれぞれに家庭をもち、子どもを産み、幸せに暮らしています。子どもや孫のことを考えると、私の心は喜びと愛情でいっぱいになります。

 彼らの存在そのものが、私にとっては命そのもののような気がします。これは世界中の母親がもつ本能でしょう。ここイスラエルでも、それは変わりません。いや、むしろ彼らの母性は、長年、家族と引き離されてきた歴史を通して、さらに深くされているような気がします。

 そんな、母親であることを強く意識させられる特別な日を、先日私は思いがけず過ごすことになりました。

徴兵制
 イスラエルでは、高校を卒業するとすぐに、男子は3年、女性は2年間の兵役にいや応なく召集されます。しかし、イスラエル軍の給料は、ほとんど“ない”と言えるほどに少なく、石鹸代のような微々たるものしか支給されません。

 ですから、軍隊に召集された若者は、家族からのサポートによって日々の糧を賄います。すでに職に就いている場合は、期間にもよりますが、職場が続けて給料を支払うことになっています。

 ところが、一人でイスラエルに移民して来ている青年や、家族をなくしてしまった人たちは、生活のすべがありません。どこからも収入のあてがないのです。BFPでは、このような兵士に、シャンプーや石鹸、靴下、飲みたくても買えないコーラなどを入れた『ジョイバスケット』を贈ることで、彼らを励ましています。家族のない彼らにとって、さまざまな品が詰め込まれたこのバスケットは、まるで宝石のような輝きをもっています。

過越の祭り
過越の祭りで食べる種なしパン

 過越の祭りは、彼らが最も悲しい思いをする時期です。なぜなら、ユダヤ人にとって過ぎ越しの祭りは、“家族の祭り”だからです。全家族が一つになって、イスラエルの神が大いなる御手を伸ばし、エジプトの苦役から解放してくださったことを感謝し、賛美します。

 最近の日本は変わってしまいましたが、私が若い頃は、お正月がまさにそのような祭日でした。父親を中心として、家族がおせち料理を食べながら、こたつでにぎやかに過ごした時代を懐かしく思い出します。

 初めて家族から離れて過ごしたお正月の寂しさを、今でもはっきりと覚えています。早く大人になりたい……と、あれほど強く願っていたのに、初めてお年玉がもらえなかったあの日は、心にぽっかりと穴が開いてしまったような気がしました。私が経験したあの気持ちとは、比べ物にならないほど寂しい思いをしている、家族のいない兵士たち。彼らの孤独はいかばかりでしょう。

 
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