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大坪幸子/フリーライター(元BFPイスラエルスタッフ)

 5月上旬、私は、BFPが企画したポーランド&ウクライナ視察ツアーに参加する祝福にあずかりました。今回は、ウクライナ西部にある小さな町、イヴァノフランコスを訪れた際に見た「希望の糧プロジェクト」の姿を、歴史に翻弄されたユダヤ人の姿と共にご紹介したいと思います。

◆イヴァノフランコス ――ユダヤ人共同体の歴史
 現在のウクライナとベラルーシは、帝政ロシア時代後期に「ユダヤ人居住区」と定められ、国内のほとんどのユダヤ人が、この地域に強制移住させられました。その数、約500万人。イヴァノフランコスは、その中にある小さな町の一つです。1939年、第二次世界大戦が勃発すると、ここはナチス・ドイツに占領されました。人口8万2千人(内5万人がユダヤ人)の町で、生き残ったユダヤ人は、わずかに150人でした。

 その後、ホロコーストを生き延びたユダヤ人を待っていたのは、旧ソ連統治による共産政権の迫害……。やがてそれも去り、91年、晴れてウクライナは独立。ユダヤ人にイスラエル帰還の自由が訪れましたが、苦労に苦労を重ねた彼らを、次に捕らえたのは、考えられないような貧困でした。

 現在、イヴァノフランコスでは、ユダヤ人の70%が帰還を果たし、残っているのは約800人。そのほとんどが高齢者、ホロコースト生存者です。人生のほぼすべてを迫害に耐えてきた人々が、最後に飢えと病で孤独に死んでいく……。しかし、主はこれを黙って見過ごされませんでした。

◆『希望の糧』の誕生
 BFPの「希望の糧プロジェクト」は、東欧のクリスチャン団体『ヘヴラ(ヘブライ語で“友”)』と協力して生まれました。

 ヘヴラの設立者・スタニスラフ・ゴヴェル師は、目の前にアウシュヴィッツ強制収容所の跡地を見ながら育ち、いつも心にユダヤ人への重荷を抱いていたクリスチャンです。

←『へヴラ』のスタッフ

 共産政権末期のウクライナを訪れて、ホロコースト生存者たちを取り巻く過酷な状況を知った彼は絶句しました。「私の救い主をこの世にもたらしてくれたユダヤ人を、こんなにひどい貧困の中に、どうしてこれ以上置き去りにできるだろう!」 激しく心を揺さぶられた彼は、イヴァノフランコスのラビと出会ったとき、こう語られました。
 
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