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 一方で、イスラエルは確実に、習慣や思考などにおいて、西洋・ヨーロッパ文化とはかけ離れた中東の文化をもつ国でもある。人々は、時には極端に無礼になるが、次の瞬間には、相手にすべてを明け渡してしまうオープンさを併せもつ。議論し合っていた人々が数分間で親友同士になってしまう。運転マナーは悪いし、列に並んでいると人の前に平気で横入りする……初代首相のベン・グリオンは、イスラエルの首相になることは、300万人の首相の上に立つことと同じ、と言ったそうだが、そうなると今日イスラエルには500万人の首相がいることになるだろう。」

 イスラエルでの現実を体験しているトムの話からも、イスラエル人たちがいかに、個性派ぞろいの集団であり、一つには捉えがたい、さまざまな要素を含んでいるモザイク社会かということがお分かりでしょう。

 ただでさえ引越しは大変な苦労が伴います。それも、このような雑多な価値観をもち、しかも経済面でも治安面でもかつてないほど危機的状況に陥っている国に、移民たちは言葉も分からず、生計を立てるすべも知らないままやって来るのです。

 BFPのイスラエルへの直接支援プロジェクト『エズラ作戦』の中で、こうした移民の、イスラエルにおける最初の1年を支えるのが「里親プログラム」の“移民支援”。BFPに寄せられ、そしてご支援くださる里親の皆様へと届けられるプロフィールには、離散先、そして移住先における彼らの試練と願い、希望が切々とつづられています。

 ここ数年、パレスチナとの戦いが激化する中で、バスやレストランでの自爆テロに巻き込まれて、移民後まもなく、愛する親、息子や娘など、家族の一員を失った、という悲劇的なケースもしばしば聞かれるようになりました。やっとの思いで移民した先で直面するこのような現実……何という悲劇でしょうか。

 正直、ここまで来ると、「何でわざわざ?」「果たして正しい選択なのかどうか?」と疑問視する方もいらっしゃるでしょう。「聖書の預言だから」という理由で、日本から北朝鮮に移民するように言われたら皆様はどうなさるでしょうか(極端な例かもしれませんが――イスラエルに移住してくるアメリカ系ユダヤ人の状況はこれと近いものがあるかと思います)。

 移民が抱える理由はさまざまであり、イスラエルに来ることで受ける祝福もたくさんあります。ユダヤ人として何のはばかりもなく、自由に生きられることが、今までそうできなかかった彼らにとっての最大の喜びでしょう。

 しかし、「預言の成就」という言葉でしか、現在の大きな流れの根本的な理由は説明がつかないのです。神の見えざる御手は、イスラエルの土を踏みしめる一人ひとりの移民の手を優しく、確実に、祖国へといざなってきてくださったのです。

 
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