先行きがこれほど不透明で、世界全体が不況の波に覆われ、人々が焦燥感と不安にさいなまれている現代、ユダヤ人が再び世界の国々で標的となっているとしても、一向に不思議ではありません。さらに、パレスチナ問題と絡んだイスラエルに対する反感もそれに拍車を掛けています。
ユダヤ人が迫害に苦しむことは、聖書でも預言されています。「わたしは剣とききんと疫病で彼らを追い、彼らを、地のすべての王国のおののきとし、わたしが彼らを追い散らしたすべての国の間で、のろいとし、恐怖とし、あざけりとし、そしりとする。」(エレミヤ29:18)
ユダヤ人はこうした恐怖の中を、約二千年にわたって生き延びてきました。そんな彼らにも、希望の光が与えられています。ユダヤ人が唯一安心して暮らせる国、イスラエルの再建です。この背後には、彼らの苦もんの声を聞き届けてくださった神のあわれみと恵み、そして大いなるご計画がありました。「見よ。わたしは彼らを北の国から連れ出し、地の果てから彼らを集める。その中にはめしいも足なえも、妊婦も産婦も共にいる。彼らは大集団をなして、ここに帰る。」(エレミヤ31:8)
「私がユダヤ人だから悪いの?」
イスラエルに移住してきたロシア系ユダヤ人のマリアナさん(32歳)は、ロシアでの生活を次のように語っています。「生まれてこの方、『ユダヤ人だから』という理由で、私は皆とは違うと言われ続けてきました。」彼女はずっと迫害され、ののしられ、高等教育を受けることも許されないなど、反ユダヤ主義を実体験してきました。そして、ワンルームの小さなアパートに、二人の娘たちと一緒に住んでいました。長女はチェルノブイリ原発事故の放射能が原因で、重い病に苦しんでいます。
ハンナさん(20歳)は、父親がユダヤ人だということで、周りの人々、特に母方の親せきからも憎まれてきたと語っています。「母方のおじは、よく私にひどい言葉を浴びせてきました。そればかりか、彼はまだ幼い私が寝ているベビーベッドの横に立って、『このユダヤ人のがきめ!』と言いながら、私を窒息させようとしたこともあったのです。実の母も私を憎んでいます。どうして私たちがこんな扱いを受けなければならないのでしょうか。私たちは他の皆と何も変わらないのに……。」
アメリカ系ユダヤ人で、病院で精神科医として働いていたスティーブン・アカルディさん(42歳)は、9月11日の体験がもとで、妻と二人の子どもたちとともにイスラエルに移住することを決意しました。この日、ニューヨークの自宅の外に車を停めている最中、一人の若者が車中から「死ね!」と叫びました。アカルディさんは車を回し、若者に追いつき、彼に向かって叫びました。若者は一瞬ためらった表情でしたが、こう叫び返してきました。「お前たち(ユダヤ人)は、僕らの国から出て行け!お前らのせいでこの事件が起こったんだ!」この言葉に、アカルディさんはしばらくぼうぜんと立っていましたが、家に戻り、考えをめぐらしていました。すると、同時多発テロの実行犯であるアラブ人テロリストが、「これはすべてユダヤ人のせいだ」と語っているコメントが脳裏に浮かんできました。アカルディさんはこのとき、さっきの若者の言葉をとおして、実は神が「アメリカを出よ」と語られたと感じたのだそうです。 |