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そうできればどんなにすばらしいでしょう。しかし、ツアーから一人離れて行くわけにはいきませんし、その後の予定もすでに詰まっていました。事情を話し、「また来年必ず来るから!」と固い約束をして納得してもらいました。彼女は「じゃあ、絶対に約束ですよ。来ることがわかったら、すぐに知らせてくださいね。どんなことがあっても私はここへまた来ますから……」と、手をしっかりと握り締めて、同じ言葉を何度も繰り返していました。

里子たちの疑問とねたみ
 ほとんどの里子が、「自分たちが貧しいから、人間的なあわれみで援助してくれているのだろう……」と思っています。しかし、プログラムが進むにつれて、だんだんそれだけではないことに気づき始めます。なぜならこの援助には、彼らに捧げられる、「ありがとう」という言葉が付随しているからです。本来なら、援助を受けている側が言うべき言葉です。それが、逆に配給センターのスタッフ、そして、里親が、彼らに感謝の言葉を述べるのです。

 今回の面会でも同様でした。里親は涙を流しながら、「サンキュー! サンキュー!」を連発していました。お互いに言葉は通じませんが、サンキューは世界共通語です。どうして彼らが自分にお礼を言うのか……。逆ではないのか……。

 ローマ書11章11節から15節に、次のようなみことばがあります。「では、尋ねましょう。彼らがつまずいたのは倒れるためなのでしょうか。絶対にそんなことはありません。かえって、彼らの違反によって、救いが異邦人に及んだのです。それは、イスラエルにねたみを起こさせるためです。もし彼らの違反が世界の富となり、彼らの失敗が異邦人の富となるのなら、彼らの完成は、それ以上の、どんなにかすばらしいものを、もたらすことでしょう。そこで、異邦人の方々に言いますが、私は異邦人の使徒ですから、自分の務めを重んじています。そして、それによって何とか私の同国人にねたみを引き起こさせて、その中の幾人でも救おうと願っているのです。もし彼らの捨てられることが世界の和解であるとしたら、彼らの受け入れられることは、死者の中から生き返ることでなくて何でしょう。」

 イエス・キリストを受け入れなかったユダヤ人たちは、つまずいたかのように見えました。しかし、彼らの失敗は、異邦人が救いにあずかる、という結果をもたらしました。イエスというすばらしいお方に出会うことができた恵みを、私たちは「ありがとう!」という言葉以外で伝えることができるでしょうか。ここでパウロは「イスラエルにねたみを起こさせるため」と二度書いていますが、喜ばしいことに、この「ありがとう」という愛をとおして、ねたみが彼らの心に起こっています。

 なぜこれほどまでに自分たちに熱い思いを寄せてくれるのか……。自分が何かしてあげたわけでも、かつて会ったことがあるわけでもないのに、なぜこれほどの無償の愛と感謝を表してくれるのか……。こんなにおいおいと泣きながらお礼を言われるくらい、いったい自分たちの中に何があるというのか……。さまざまな疑問が泡のように湧き上がり、里親を突き動かしているエネルギーが、何かを知りたいと思うようになります。そして、里親からあふれ出る愛の源泉が、イエス・キリストにあることを知るようになるのです。

 
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